いちごのマチェドニア風

2023年2月8日


2月の季節のワッフルは、いちごと純生クリームのワッフルです。
このワッフルのソースを「いちごのマチェドニア風」と呼んでいますが、今回はこの「マチェドニア」について。

マチェドニアのレシピ・語源ともに諸説あるようですが、当店ではイタリアの定番レシピである「洋酒入りフルーツマリネ」風に作ったもののことを全般に「マチェドニア風」と呼んでいます。
(「風」と付けているのは、本来のレシピよりずっと洋酒を控えめにした作り方をしているため。)(もしイタリア版のレシピどおりに作ると、日本では酒税法違反になってしまうくらいアルコール分多めなのです…。)


厳密に言うと、そもそも複数の果物を使っているため「マケドニア(多民族国家)風」というのだから、イチゴのみの場合にはマチェドニアとは呼ばないのでは…?とか。
なぜ「マリネ」と呼ばず「マチェドニア」というやや耳馴れない呼び方をするのか…?とか。

疑問に思われそうな点は自分でも幾つも浮かぶのですが、その一方で、今回敢えてこの名でお出しすることにした理由はシンプルです。

それは昔、私自身が「マチェドニア」という(文字のみからでは想像のつきにくい)「未知のデザート」にワクワクしたこと。そしてその「未知へのわくわく」自体もまた、とても「春のおやつ」らしいのでは。と考えたため。です。

※なお、「マリネ(和えて漬けたもの)」と呼ぶと一般的なお料理の印象からか、酸味強めと思い避けられる方もあるようだ。…という実体験も、少し影響しています。


当店の「いちごのマチェドニア風ソース」は、関市産の新鮮な完熟イチゴを荒く刻み、砂糖とレモン汁で作ったシロップと和えて、一晩置いて馴染ませています。(翌日仕上げに、香り付けの洋酒(アルコールを飛ばしたもの)少々を加えて完成。)

和えたばかりの時にはまだ白かったイチゴの芯の部分も、一晩ゆっくりと休ませることにより、滲出したイチゴの果汁でしっかり赤く染まります。


レモンの酸味と洋酒の香りはイチゴ自体の酸味と甘味と香りの上に一層の爽やかさと余韻を連れてきますし、浸透圧によってソースらしくなり苺の角が取れて少しトロリとした食感もまた、純生クリームや新鮮な飾りいちごと好相性です。


新鮮ないちごとも、いちごジャムともまた異なる、じゅわっとジューシーなマチェドニア風のいちごソース。ぜひ、お好きなタイミングでかけてお楽しみください。


☆余談☆
季節の果物のマチェドニアは、年中様々おいしく楽しめます。
柑橘系・りんご・もも・梨・柿・プラム・キウイなどの水気多めのフルーツ1~3種ほどで和えると作りやすく・味もスッキリしていてオススメです。なお、巷では、バナナ・ぶどう・ブルーベリー・木苺・パイン等も使い、4~6種類ほど使われるレシピも多いようです。
(個人的には、柑橘系1~2種類と他の果物1~2種類を和えるとバランスが取りやすくて美味しいです。)

レモン汁は全体に少量まぶす程度でも、たっぷり浸るくらいでも。酸味弱めがお好みならばレモンの代わりにオレンジやグレープフルーツジュースと和えても美味しいですし、お砂糖は浸透圧のためなので、少量でもOKです(甘いのがお好きな方は多めに入れるとよりデザートらしくなりますし、蜂蜜やシロップ類と和えてもコクが出ます。ジュース使用の際にはお砂糖無しでも作れます)。

香り付けには、洋酒の代わりにバニラやミントなどお好みのスパイスやハーブを加えて作っても、それぞれに雰囲気が変わって美味しいです。
(例:りんご&シナモン&蜂蜜/桃&バニラ/梨&ミント…etc.)

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