庭木の話

2025年11月10日

今日は、月に一度の第2月曜営業日でした。
朝から一日中ずっと風の強い日だったので、
開店前の朝も、閉店後の夕方も、半日と経たぬ
掃除のたびに、落花も落葉もたくさん集まりました。
花梨の実も収穫して、庭の秋の実りもそろそろ終盤。
この先我が家で秋冬に実っていく木は、入口のレモンと
奥にある柿の木を残すばかりとなりました。
 
花咲く品種も茶の木と白椿のみとなったこの時季は、
絶好の庭木剪定シーズンです。

細いものや手の届くものなどは休みの日に自分で切りますが、
高所の枝落としや太めの木の伐採は、家族がしてくれています。
(そろそろ担当したいと思いつつ、安定感も力及ばず早幾年…。)


先々週は、アーモンド・椿・モチノキ・銀木犀とブルーベリーを。
先週は店の側にある大きく伸びた枇杷と花梨と栗の木と草掃いを。
今週は、この夏とても混み合っていた藤・ローリエの枝が払われて、
風通しも見通しもとても良くなり、サッパリしました。


ローリエは軒先にしばらく枝ごと干してから形の良いものを収穫し、
流水で汚れを洗った後に、もう一度干し網に入れて乾かします。
寒い季節の煮込み料理に欠かせない、大活躍のハーブ。
何を組み合わせて煮込もうかとわくわく考えるのも楽しいです。

次の休みには、ニョキニョキと徒長している無花果と梅の木を剪定する予定です。

さて、ここまででお気付きの方もいらっしゃると思われますが、
我が家の庭木は実の生る木や料理に使えるものが大半です。
(ほかには、母の好みの茶花が数種…。)


「くいしんぼうの庭」とは友人の談ですが、まさに言葉どおり。

お菓子を作るときと同じく、木の手入れをするときも半数以上は「おいしくなーれー」と念じながら、剪定したり水遣りしたり掃除をして、世話をしています。
 
気候の影響や表年裏年もありますし、基本的に農薬を使わないようにしているので、虫に食べられてしまうこともしばしばです。
 
(例)今年のレモンは夏前までは元気でしたが、酷暑・裏年・秋口の葉喰い虫波状襲来の重ね掛けにより、収穫予想は極少です…(涙)

日頃の手入れも、様子がおかしい時に実地で調べつつ対応しつつの日々なので、木達にはなかなか過酷な庭かもしれません。
 
けれど幸いなことに初期の成長期を前任者の両親が丁寧に面倒を見てくれていたことと、土の合う品種が分かってきたことから、最近は新しく植えた木も元気よく、緑鮮やかに伸び伸びと育つようになりました。

母から庭の手入れを引き継いで2年程の月日が経ち。この秋のはじめの朝方に庭先の剪定をしていた時、母に植物の成長を喜ばれたときは、少しホッとしたものでした。
 
当店は晴れの日より雨の日にご来店が多い店なのですが、「入口から見える、雨に濡れる庭の緑の景色が好き」と来てくださるお客さまが一定数いらしてくださることも、とても嬉しいことです。
 


飲食店として「おいしいもの」をご用意してお客さまをお迎えすることはもちろんとして、
見える景色や居心地などの「心地よい環境」をご提供できるよう努めていくことも大切にしていきたいと思いつつ、試行錯誤を重ねる日々です。
 
木の成長も、草の緑も、日々ゆっくりと変化しつつ少しずつ根を張り育っていくもの。目指す庭の形までは、まだまだ年月がかかりそうです。
これからも時間をかけて段々と、店の中も外庭の景色も育てていきたいと思っています。

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