林檎ジャムのこと

2025年11月9日

喫茶室でご用意している「スコーンセット」には、
自家製ジャムを添えてお出ししています。

毎月第2月曜日も営業を始めたものの、基本的に週一回営業の当店では、
食べ頃が繊細なフレッシュフルーツを生のまま使用したお菓子(※)は、
なかなかご用意することが出来ません。
(※季節のショートケーキ、パフェ、プリンアラモード…etc.)
 
けれど、四季折々の美味しい果物を使ったお菓子は、ぜひご用意していきたい。
そんな思いから、ジャムやコンポート等に加工して月ごとのお菓子に使用するようになりました。
 
中でもジャムは、お砂糖と果物+α(レモン汁・洋酒・スパイスなど)で出来る、とてもシンプルで四季折々の恵みを活かせる調理法なので、一年を通して様々な種類の果物をお客さまにもお楽しみいただくことができ、おかげさまで好評をいただいています。


今月のスペシャリテ「林檎のマドレーヌ」にも、
自家製の林檎ジャムを煮詰めたものを使用しています。
 
今日はそんな自家製ジャムの製造過程を、紅玉林檎バージョンでご紹介します。
 
1.長野県の農家さんから届いた紅玉林檎をよく洗って水気をふき取り、半分に割る。
(☆皮ごと食べられる減農薬栽培の林檎を送っていただいています。)
2.中心の種と上下の部分を切り取る。
3.皮を剥いて実をスライスし、細かめの賽の目に切る。
(実はちょっと大きい部分もありますが、煮ている間に細かくします☆)
4.剥いた皮は小鍋に水と共に入れて弱火でコトコトと煮る。
(見事な紅色と香り、トロミのもととなるペクチンもしっかり活用☆)
5.実の重さを量り、砂糖とレモン汁を加えて混ぜ合わせる。
(砂糖やレモンの量は、林檎の甘味や酸味と様子見で…。)
6.4の煮汁を濾して加え、合わせて強火にかける。
(この鮮やかな紅色は、何回見てもため息が出るほど美しいのです。)
7.果汁が煮え立ち沸々と灰汁が浮いてくるので、こまめに取り除く。
(最初の内はぶわわわわーっと。段々ぽぽぽと落ち着き、透明に。)
8.全体に透き通って煮汁がなくなりポッテリしたら、スコーン用は完成。
林檎の瑞々しさとシャキッと感が残るフレッシュなジャムの出来上がりです。
9.マドレーヌ用は、ここからさらに形が無くなるまで煮詰めてパート・ド・フリュイと同じくらいの糖度まで水気を飛ばして完成。
みっちりと濃厚な香りと透き通る紅色が美しい、そのままでもお菓子のようなジャムになります。
 
長期保存食品の扱いとなる瓶詰ジャムを販売するには、お菓子を販売する「菓子製造業」とはまた別に「瓶詰・缶詰製造業(※)」としての保健所許可が必要となります。
(※現在は食品衛生法の改正により「密封包装食品製造業」に統合されているようです。)
  
「ジャム単体も売ってほしい」と言って下さるお客さまにお応えできないのは大変心苦しいのですが、瓶詰ジャムの販売は当店の規模では難しいため、ケーキや焼き菓子に変身させた形で、ご自宅でも召し上がっていただけるよう工夫を凝らしていきたいと考えています。
 
お楽しみいただけましたら幸いです。

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