春という名のケーキ

2023年3月9日

 庭先でミモザが咲く頃、喫茶室のケーキはプリマヴェラが登場します。
リモンチェッロの発祥の地でもあるイタリアは、レモンとナッツの名産地。
イタリア語の「春」という名を持つこのケーキにも、たくさん使用しています。

現地のプリマヴェラには、タルト生地を土台にして粉糖で飾った素朴なものや、小麦粉以外の澱粉を使用したホロホロとした食感のものや、もっちりしたもの、レモンと並ぶイタリアの特産物であるアーモンド粉を使用したしっとりタイプなど、様々なバリエーションがあるようです。

間には杏を挟むことが多いようですが、ベリー類や柑橘類を挟むお店もあるようですし、上の飾りも、粉糖であったり、クリームであったり、様々です。

このバリエーションの豊かさにもまた、長く楽しまれてきたお菓子らしい歴史が見えます。

当店のプリマヴェラは、
アーモンド粉・小麦粉・コーンスターチを組み合わせ、もっちりふわりとしたスポンジ生地仕立てで、タルト生地は敷かず軽やかに。焼きたての生地に洋酒入りのシロップをたっぷり含ませているため、口に入れるとシュワっと滲みます。

甘くほろ苦いレモンピールと、細かく刻んだピスタチオがアクセント。間には、昨年は杏ジャム、今年はいちごジャムを挟んでいます。(ピールとジャムも自家製です。)

生地がとても甘めの配合なので、仕上げの生クリームは甘さ控えめ。脂肪率の異なる2種類の純生クリームを軽めのバランスに合わせ、上部に籠目の飾り(※)をつけて、細かく削ったレモンの果皮とグラニュ糖を合わせたキラキラを散らして、完成です。

※この籠目のような独特の模様もまた、春の花籠のイメージなのかもしれない。と思うと、春を迎える喜びは、イタリアも日本も共通のものですね。と楽しくなります。(花粉症の辛さは、こういう時は目を瞑る…⭐︎)

週間天気予報では、そろそろ最高気温が20℃を超える日も増えてきました。

今年もいよいよ、本格的な春到来。
プリマヴェラは、3月いっぱいご用意いたします。
お楽しみいただけましたら幸いです。

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