喫茶室で店内専用メニューとしてお出ししている珈琲ゼリー。
シンプルなおやつですが、完成するまでには紆余曲折ありました。
試作中と言い続けてなかなか日の目を見ない、「狼メニュー」の代表選手でもありました。
▼詳しくはこちら▼『喫茶室BLOG:珈琲ゼリー試作中』
https://www.hontomichikusa.com/2020/05/6862
上の記事でも少し触れたとおり、まず最初の挫折は、色でした。
珈琲ゼリーといえば、透き通るようなきれいな琥珀色もポイント。
けれど最初の試作は、見事に濁ったドドメ色でした。
(向こう側の★が全く見えない濁りっぷり…orz)
泥のように濁ったゼリーでは、美味しさも半減というもの。
けれども、何故こんなに濁ってしまうのか、最初は全然分かりませんでした。
いろいろ試作を繰り返し、本なども調べていく内に、ゼラチンを溶かす時の温度や種類や原料の違い、珈琲豆の種類や焙煎加減、挽き方や抽出の仕方によっても濁り方に差があること、少量の砂糖を入れたり、冷やし方を工夫することで透明感が増すことも分かり…。
文字通りの迷路を越えて納得の行くものが出来たときは、それはもう嬉しかったです。
(そこからまた、安定して同じものが作れるように成るまでに多少時間がかかるわけですが…ゴールが見えれば試行錯誤の方向も絞られるので試行の甲斐もあるというもの☆)
二三味珈琲さんの深煎りブレンド(アイス珈琲とは別の種類)を常よりやや荒目に挽き、ゆっくりじっくり抽出した珈琲液に、ほんの少しの砂糖と洋酒とゼラチンを加えて急冷し、香りを閉じ込めたプルプルの珈琲ゼリー。
上には糖蜜と洋酒を加えた脂肪分低めの純生クリームを軽く泡立てて乗せ、仕上げにピーベリー(一枝の先に一つ成るという、小さめの珈琲豆)をクーベルチュールチョコレートでコーティングした自家製ビーンズチョコを飾って完成です。
昨年の9月、喫茶再開に合わせて珈琲ゼリーをメニューに載せた日、常連さんが「とうとう完成したんですね」「楽しみにしてました」と注文してくださった時のことは、今でも憶えているくらい嬉しかったです。
暑い夏日やぽかぽか陽気の日は勿論のこと、こたつでアイス。のように、冬場も途切れることなくご注文をいただいたこのゼリー。
すぐにお出しできる冷菓なので、時間がないけどちょっといっぷく。という時にもお楽しみいただけているようです。
初登場から半年ほど経った今では、季節を問わずメニューに載せておきたい定番おやつのひとつになりました。
今後とも、お楽しみいただけましたら幸いです。