ふたつのクリスマスケーキの話・2~ダークフルーツケーキのこと~

2024年12月12日

ブログ連投最終日。
本日は12月の当店のスペシャリテ、ダークフルーツケーキについてお話しします。
 
先日、エリザベス女王のウェディングケーキがオークションに掛けられたとのニュースがありました(※)。洋酒漬けのドライフルーツをふんだんに使用したリッチなフルーツケーキは、イギリスの祝祭日によく登場するお菓子です。
当店でクリスマスの時季に合わせてご用意しているダークフルーツケーキも、イギリスのレシピをベースにしています。(シンプルに「フルーツケーキ」と書くと生フルーツの乗ったケーキを連想される方も多かったため、その年以降の当店ではケーキ名の頭に「ダーク」と付けるようになりました。)
 
(※ロイヤルファミリーのウェディングケーキは時々オークションに登場しますが、エリザベス女王のウェディングケーキとなるともう半世紀以上前(調べてみたところ、67年前!)のもの。…食べることは流石に躊躇われそうですが、今もきちんと形を保っている辺りにこのケーキの抜群の日持ちの良さが現れています…。)

 
ケーキの要となるのは、クリスマス・プディングと同じく洋酒漬けのドライフルーツ。(今年の当店の洋酒漬けは、7種類のドライフルーツ(プルーン・レーズン3種・あんず・クランベリー・無花果・オレンジピール・りんご)を其々に合う洋酒にひと月ほど漬け込み、使用する1週間ほど前に全体をマリネし、ナッツを加えて馴染ませています。)

2種類の発酵バターとブラウンシュガー、卵を使用し、薄力粉に強力粉を少し加えたケーキ生地は、濃厚な洋酒漬けフルーツの香りと味わいをしっかり受けとめる、なめらかでありつつホロッと崩れるような食感が特徴です。
 
当店では、洋酒漬けフルーツと合わせたこの生地を、ナッツを散らしたローズ型に入れ、最後に大きめにカットした洋酒漬けの無花果とプルーンを埋めています。
低温のオーブンに入れて1時間以上ゆっくり蒸し焼きにし、焼き上がり直後の熱々の内に複数の洋酒を合わせたシロップをたっぷり染み込ませて完成です。

ホールでご用意しカットしてお出ししていた初期(2016年※写真)の頃も、ローズ型に変わった今も、このケーキは焼きたてよりも数日経ってからの方が美味しいです。
 
焼き立ては洋酒の香りが際立ち外側と内側の食感にもまだややバラツキがありますが、時間が経つほどに表面に打ったシロップや中の洋酒漬けフルーツが生地となじみ、よりなめらかで落ち着いた味わいになります。(店頭や通販には、数日低温で熟成させたものをお出ししています。)
 
前述のエリザベス女王のウェディングケーキがそうであったように、フルーツケーキはお祝い事のお裾分けとして配られることも多いお菓子です。
先日の営業日には、離れた土地のご友人や、お世話になった方々へのプレゼントに…とお求めくださるお客さまもいらっしゃいました。

また、洋酒自体も美味しさのポイントとなっているケーキなので、お酒好きのお客さまにも毎年好評です。(今年も美味しいお酒を5種ほど使用しております☆)

とても日持ちするケーキなので、「年末の食べ納め用に…」と(熟成具合の変化も含めて)複数をゆっくり楽しまれている常連さんもいらっしゃいます。
(そうした経緯もあり、今年は通販のお客さまにも年末年始にお菓子をお楽しみいただける賞味期限でお届け出来るよう、発送日を少し遅めに調整いたしました。)
 
12月の別名に、「年果(ねんか)」という言葉があります。冬の季語である「年の果(としのはて)」を連想する言葉です。
この場合の「果」は、「一年の最後(=果て)」の意ですが、この「果」は「果実」の「果」でもあり…。
 
四季折々のドライフルーツと熟成された洋酒をふんだんに使用したダークフルーツケーキは、年果のケーキとしてもとても似合いのお菓子なのではないかしら。と思いつつ、今年もご用意しています。
 
もしお好みに合いましたら、お楽しみいただけましたら幸いです。
 

☆クリスマスギフト、受付中です☆ 
※受付を終了しました。(12/13追記)
12月12日(木)21時まで(店頭・通販とも)
▽くわしくはこちら▽
2024年のクリスマス・セットについてhttps://www.hontomichikusa.com/2024/12/10148

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