2023年 秋の小さなお菓子の話

2023年11月4日

秋も進み、山里の実りの恵みが届く季節になりました。
今年は夏の暑さが長引き、里山の秋も普段より遅いようですが、
当店の秋も諸事情により、少し遅めに始まりました。


おかげさまで今日から再開した喫茶室でも、
秋の新作お菓子が好評です。(ありがとうございます!)

似ているようで少しずつ異なる、この秋のラインナップ。
店頭でお話ししたこととも合わせて、ご紹介させていただきます。
お好みに合わせた選択の一助となりましたら、幸いです。

この秋ひとつめの小さなお菓子は、
自家製の栗ペーストをたっぷり使用した
【栗生地とくるみのパウンドケーキ】です。

甘さ控えめの栗ペーストをたっぷり混ぜ込んだ生地は、
通常のパウンドケーキよりしっとりホロホロとした食感です。
香ばしく炒ったくるみをたっぷり加えた、贅沢な味わいのケーキです。
ほんの少しだけラム酒をきかせていて、
珈琲やお茶のほか、お酒とも相性の良い、大人向けの味わいです。
男性の方にも好評です。

ふたつめのお菓子は、【栗粉とチョコのケーキ】です。
こちらは自家製栗ペーストを少しと、イタリア産の栗粉を
たっぷりと使用した、ふんわり軽い食感のケーキです。
真ん中に入ったビターチョコレートがアクセント。
やさしい味わいで、老若男女幅広い方に好評です。
三つ目のお菓子は、【紅玉林檎のマドレーヌ】です。
農家さんから届いた新鮮な紅玉を甜菜糖と甘煮にして、
国産はちみつとともに生地に加えて焼き上げました。
いつもの道草マドレーヌよりも、もちもちした食感が特徴です。
(※水分が多めの生地なので、賞味期限は一週間と短めです。
 涼しいところに置いて、お早めにお召し上がりください。)
砂糖少なめに煮たシャキシャキの林檎が、ポイントです。
蜂蜜なしの試作もしてみましたが、やはり林檎と蜂蜜は好相性。
二つの甘みの組み合わさった、もちもちマドレーヌと成りました。
オーブントースターで軽くリベイクしても美味しいです。

四つめのお菓子は、【黒糖くるみのメレンゲ】です。
カリフォルニア産のくるみに沖縄県産の黒糖で作った黒蜜を
たっぷり絡めて自家製の黒糖くるみを作り、荒く刻んでから
メレンゲにたっぷり加えて、3時間ほど低温で焼き、芯まで
香ばしく仕上げています。ザックザクの食感と、濃厚な甘みと
くるみの香ばしさが、温かい飲みもののお供にぴったりです。
ファッジと並ぶ秋冬のお菓子として、ご用意させていただきます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
(今季のファッジは、食べきりサイズで11月第2週より販売します。)

今秋の道草通販も、この秋の小さなお菓子をお届けいたします。
もしお好みに合いましたら、お楽しみいただけましたら幸いです。
(林檎のマドレーヌの販売は11月中。栗のお菓子は12月までを予定しています。)

よろしくお願いいたします。

-----------------
下記は、自家製の栗ペーストにまつわる小咄です。
もしよろしければ、ご笑覧ください。

今年は出回る時期に動きが取れず、毎年恒例の栗の渋皮煮は
作れなかったのですが、一ヶ月お休みをいただいていた間も
秋らしいお菓子を作りたい気持ちは強く、動けるようになって
すぐ、フランス産の栗の缶詰を発注しました。

(既に糖類等が入っているペーストの方がシェアもあり、
味も栗らしい香りも安定しているのですが、製菓オタクの
血が騒ぎ、数年前からペーストも自家製になりました…。)

(余談ですが、療養中見舞ってくれた友人に「具合はどう?」と聞かれ、
「パソコンが触れるようになったので栗缶を発注しました!」と答えて、
「…だいぶ復活してきたようで良かったよ…」と言われたほど、
栗仕事が好きな店主です。もう少し様子を見てから、冷凍の栗で
甘露煮を仕込み、お正月明けのお雑煮に添えられたらと目論見つつ…)

閑話休題。

この純栗のピュレと関牛乳と甜菜糖を合わせて炊き上げ、
自家製の栗ペーストを作るところから、今年の秋の当店の
(やや遅めの)秋の仕込みは始まりました。

(なお、紅玉の方は、毎年お世話になっている
りんご農家さんの最終便にギリギリ間に合ったので、
少し分けていただくことが出来ました。感謝…!)

くつくつと煮えて、飴色の透きとおった色合いになると、
栗はしっとりホクホクとした風合いで控えめで芳醇な香りに。
林檎は艶々と瑞瑞しく爽やかで甘い香りになるように思います。
下ごしらえが出来たところでそれぞれの素材を見ていると、
今年はどんなお菓子だと、よりお楽しみいただけるだろう。
と、お客さまのお顔を思い浮かべつつ、わくわくします。

この秋の小さなお菓子は、店頭での登場は初めてであったり、
本当にずいぶん久々の登場だったり…のラインナップですが、
(売り物としては、見映えのするゴロっと栗の入ったお菓子が
登場しやすくなるため…)家用に作っていたものをベースにした、
それぞれ飽きの来ない素朴な味わいの、ひそかな自信作です。

お楽しみいただけましたら幸いです。

※実は現在もう一種類、準備中の栗のお菓子がございます。
こちらは純生クリームを使用した柔らかめのケーキなので、
土曜日の喫茶室にて登場予定なのですが、現在最終調整中です。
もしお好みに合いましたら、いずれぜひ。

QooQ