ルバーブは、「西洋フキ」とも呼ばれる高原野菜です。
当店では色が綺麗で甘く香り豊かな「赤いルバーブ」を好んで使用して
いますが、緑の品種や赤~緑グラデーションの品種もあります。
どの色のルバーブも、生のまま噛るととても酸っぱく
繊維質でエグみも強く、生食には向きません。
ところが火を通すと一転、酸味は爽やかな甘酸っぱさに変わり、
食感も繊維がほどけて柔らかくなり、とても美味しくなります。
欧米でも古くから広く食べられているもので(※)、たとえば
「大草原の小さな家」にもルバーブのお菓子が登場します。私も
子どもの頃からずっと食べてみたいと思っていた食材でしたが、
ここ十年ほどの間に日本でもずいぶんポピュラーになり、
新鮮なものも手に入りやすくなりました。(ありがたや…!)
※余談ですが、漢方の「ダイオウ」はルバーブと同科同属・薬用品種の
根の部分を指し、食用ルバーブは別品種の茎部分のことを指すようです。
閑話休題。
今年は、長野県の二か所の農家さんから朝採れを直送いただきました。
ピンと瑞々しく、元気なルバーブ。見るからに美味しそうでした。
梅雨時は湿度も気温も心理的にも何となく粘々めっとりとして
しんどくなりがちな時期ですが、個人的には、大好きな梅仕事と
この赤いルバーブを連想する時季でもあり、とても好きな季節です。
さて、当店ではこのルバーブを一本ずつきれいに洗って水気を切り、
ほどよい長さにカットして、新鮮な内に砂糖漬け(生のままで
漬け込む)やコンポート(火を通す)に加工して使用しています。
ルバーブは農家さんが予約順に発送してくださるのですが、
幸いなことに今年はちょうど週後半の便で届いたので、初週は
生のルバーブをそのままタルトに焼き込むことが出来ました。
(直焼きのルバーブは、少し酸味強めの味わいなので、
初週のみカスタードと純生クリームを組み合わせました。)
火を通したルバーブは芯まで澄んだ赤色に染まるのですが、
梅雨のジメジメも吹き飛ぶようなこの鮮やかな紅色を見ると、
毎年とても嬉しくなります。
2週目以降は、砂糖漬けにしたシャキッと甘酸っぱいルバーブと、
濃厚なアーモンドクリームと純生クリームを組み合わせたり。
ジワジワと蒸し暑くなってきた田植えの頃には、
爽やかで軽いヨーグルト入りのムースと合わせたり。
(カリッと香ばしいナッツもアクセントとして好評でした☆)
夏日には、フワフワなめらかな食感のレアチーズ生地と重ねたり。
(ルバーブの天然色ゼリーが、とても綺麗と喜ばれました♪)
…と、週替りの「季節のケーキ」としてご用意させていただきました。
また、柔らかく煮たコンポートは、クリームチーズと一緒に
ホロホロのクランブルやあられ糖をのせたマフィンに焼き込み、
7月後半の営業日まで、ほぼ毎週登場しました。
毎週トッピングを少しずつ変えてご用意しましたが、
おかげさまでリピーターさんに恵まれたおやつとなりました。
繰り返しお楽しみいただけて、とても嬉しかったです。
気に入ってくださり、ありがとうございました。
さて、今年のルバーブまつり。
あらかじめ去年の内に試作してみてはいたものの、
常連さん方に事前にご心配いただいたとおり(みなさん優しい…TT)
週替りのケーキは矢張りなかなかに大変なことも色々ありましたが、
おかげさまで完売となることも多く、喜んでいただけてよかった。
と、しみじみ嬉しく、また、ホッとしています。
今年寄せていただいたご感想をもとに、
来年は一層ブラッシュアップして、お届けしたいと算段中です。
どうぞ、おたのしみに☆